分銅つなぎ
52枚目の刺し子ふきんは分銅つなぎを刺しました。
オリムパスさんの図案付き晒を使用。
刺し子糸は、段染め糸は染織アトリエKazuさんのもの、単色糸はホビーラホビーレさんのものを使用。
伝統模様の分銅つなぎ
分銅つなぎは伝統模様のひとつです。
分銅つなぎについて、下に引用文を載せています。
同じカーブの曲線を違う方向に向けてできる分銅形をつないだ連続文様。
分銅とは秤の重しのことで、鉄か真鍮で作られているもの。
円形の左右を孤形にえぐりくびれさせた形をしている。
物の目方を計る分銅は真ん中がくびれていて形が面白く、縁起も良いものとして宝尽くしのひとつに数えられるなど、文様として好まれました。
この同じカーブの曲線4本を互い違いにつなげてできる分銅の形を連ねたものが分銅繋ぎと呼ばれています。
伝統模様の分銅つなぎについては、わかったけど、そもそも分銅とは何なのでしょうか?
分銅ってなに?
1 秤(はかり)で物の重量をはかるとき、重量の標準として用いるおもり。金属製で、円筒状・釣鐘状などに作られている。法馬(ほうま)。ふんどん。
2 金や銀の塊を分銅形に鋳造したもの。蓄えて不時の用に備えた。
3 紋所の名。1を図案化したもの。
秤のおもりというと、理科の実験で使う円柱状の形のおもりを想像しがちなのですが、昔は筒状の左右を孤形にえぐりくびれさせた形のものをおもりとして、使っていたのでしょう。
分銅つなぎを刺し子してみて
分銅つなぎは曲線の模様刺しです。
曲線の模様刺しは、直線のものよりも難しいのですが、この分銅つなぎはとても刺しやすかったです。
シンプルな模様なので、段染め糸で刺すと色のグラデーションを楽しむことができます。
今回は細糸で刺したのですが、太糸を選んでもうるさくならずスッキリとさせることができるのではないかな。
裏地はこんな感じです。シンプルですね。
つくづくシンプルな伝統模様の美しさにうっとりします。
日本人が大切にしてきた伝統模様。
今、世界ではアメリカの著名人が補正下着ブランドに日本の着物と同じ「KIMONO(キモノ)」と名づけたことで、文化の登用であると炎上しています。
わたしも含めて、日本人自身が伝統文化に対して理解ができていないのではないかと思います。刺し子をするようになって、伝統模様のことも、ちゃんと知るようになったくらいですから。
G20で日本に注目が集まっている今、日本の文化を日本人自身がちゃんと理解して、伝えられることができるようになるといいなと思わされました。2020年は東京オリンピック、2025年は大阪万博と日本に世界の人々が集まるのですから、着物業界の方たちには絶好のアピールチャンスなのではないのかな。
などと、刺し子しながらいろいろと考えてみました。