紗綾形(さやがた)
54枚目の刺し子ふきんは紗綾形(さやがた)を刺しました。
オリムパスさんの図案付き晒を使用。
刺し子糸は津軽工房社さんのmederuの89番を使用。
外枠はホビーラホビーレさんの単色糸を使用。
伝統模様の紗綾形
紗綾形は伝統模様です。卍崩し模様とも呼ばれるようです。
紗綾とは聞きなれない言葉ですが、卍模様を崩してつないだ模様の艶のある絹織物のことだそうです。
梵語の「卍」を斜めに崩して四方に連続文様にしたもので「卍崩し」「卍繋ぎ」または「雷文繋ぎ」「菱万字」などとも呼ばれています。
桃山・江戸時代に紗綾織(地が平組織で、文様が縦の四枚綾の絹織)が明から輸入され、地文様として使われたので紗綾形と呼ばれるようになりました。
江戸時代には綸子の地文はほとんどが紗綾形で、これに菊・蘭などをあしらったものが紗綾形綸子として非常に多く行われていました。昔は女性の慶事礼装用の白襟には紗綾形が使われるものと決まっていたそうです。*1
慶事礼装用の白襟に使われていた模様だったそうなので、とても縁起の良い模様なのだと思います。
一見すると、迷路模様のようにも見えますね。とてもユニークで、面白みのある模様です。
昔の人々がこんな素敵な模様を考えて、生活のなかで着るものなどに活用していたことに、
紗綾形を刺し子してみて
直線の模様刺しなので、初心者でもアタマを悩まされることなく、サクサクと刺すことのできる模様だと思います。
たまに、直線の模様刺しでも刺す順番などアタマを使うことを要求される模様がありますが、この紗綾形はテレビをチラ見しながらでもスムーズに刺すことができました。
一日あれば、余裕で完成させられます。
紗綾とは絹織物のことなので、津軽工房社さんのmederuのすこし光沢がかった色味になりそうな刺し子糸を選びました。
mederuの刺し子糸を使うのは2枚目なのですが、布通りもよく、とても刺しやすい糸だなと思います。また、段染め糸のグラデーションが絶妙で、刺しながらウットリしてしまいます。色の組み合わせ方とか、さすがプロのお仕事だなと。
全体図。写真が上手く撮れなくて、色味がややぼやけて写っています。
裏地はこんな感じ。
津軽工房社さんのmederuの刺し子糸を使うのが2度目だったのですが、ますます好きになってしまっています。
段染め糸のグラデーションの色味もほんとうに素敵なのだけど、糸の質感もわたしのドストライクなので、ハマりそうな予感。糸の撚りが硬めなのが好みな方に、おススメだと思います。
*1:粋屋・日本の伝統文様と伝統色