霰亀甲
56枚目の刺し子ふきんは霰亀甲を刺しました。
オリムパスさんの図案付き晒を使用。
刺し子糸は津軽工房社さんのmederuの段染め糸を使用。
外枠はホビーラホビーレさんの単色糸を使用。
霰亀甲の刺し方
わたしが刺した方法なので、かなり独自のものですが、どなたかのご参考になればと思って書きます。
①まず、縦の直線を刺していきます。模様がつながっていないところは、表地と裏地の間に糸を通して渡しています。表地と裏地の間に糸を通すので、刺し子糸は淡い色味のものを選びました。
②次は亀甲の形になるように、三角屋根を描くイメージで刺していきます。
ジグザグの線を指していきます。
③次の段はすこし大きめのジグザグを刺していきます。
④この2つのジグザグパターンを交互に繰り返しながら刺していき完成です。
全体図。
裏地はこんな感じ。
伝統模様の霰亀甲について
刺し子は江戸時代に東北地方などの雪国で発展していった手芸の技法とされています。
↓こちらのサイトには、刺し子という手芸の技法の成りたちから、近現代にいたるまでの歴史的背景が、わかりやすく書かれています。
わたしは、いま人気のこぎん刺しをしことがなく、目を数えて刺していく技法にピンとこずだったのですが、粗い麻布の目を木綿糸で刺していたからなのか、とやっとつながりました。
寒い土地で暮らす人々の生活にも、あまりピンときていないので、もっと理解を深めたいものです。
粗い麻布はすき間があるから、そこを埋めるようにこぎん刺しをすることで、補強をして保温機能も高めていたのでしょう。
テキスタイルデザインのように素敵な模様と、補強や保温という合理性を兼ね備えた技法の両面に、現代のわたしたちが惹かれてしまうのは根幹に昔の人々の知恵がつまっているからなのでしょう。
この霰亀甲は、まさしく雪国ならではのイメージの模様です。
霰文は江戸小紋によくある模様なのだそう。霰の大小異なる粒が飛びはねるように、水玉を不規則に自由に描いた模様です。
それと、長寿の象徴である六角形の亀甲模様を組み合わせたのが、この霰亀甲でしょうか。
この幾何学模様をじっくり見ていると、霰の大小の粒が六角形を中心に、いくつも紛れているのがわかります。
暑い夏のさなかに、おもしろい幾何学模様の霰亀甲模様を刺し子するのは、とても楽しかったです。