【ソーイング・ビー】第8回は、とうとう決勝戦の優勝者が決まります。
まだ視聴されていない方は、ネタバレにご注意ください。
決勝戦に残ったコンテスタントは、アン、サンドラ、ローレンの3名です。
がま口バッグのリメイク対決の審査結果
前回の第7回の最後に、がま口バッグのリメイク対決をし、その審査結果からはじまりました。
アップリケ、ビーズ、スパンコール、刺繍糸などを使って、手縫いの技術でがま口バッグに飾りをつける対決内容です。
制限時間は1時間半という短いものなので、いかにスピーディーに手縫いで飾りを効率良く、かつ丁寧に仕上げられるかがポイントになります。
アンのリメイクは、ラメの刺繍糸でコーチングステッチをほどこし、その周囲を緑色のビーズで刺繍したものです。
審査員のメイは、流れるようなデザインと縫い目の美しさをほめていました。
パトリックは「シンプルな技法を効果的に使った」と絶賛。
確かに、1時間半という短時間で刺繍するために、コーチングステッチを全体にほどこしたのは流石というか、アンならではの長年の経験がものをいう選択だったなと思います。
サンドラのリメイクは、アップリケ刺繍をほどこしたものです。
制限時間が短いので、ランニングステッチで花びらを付けていましたが、そこは気にならない手縫いの技術とデザインでした。
サンドラはこれまでにも、大きな花柄の生地を使うことが多かったのですが、アップリケ刺繍も大きな花のデザインで、サンドラらしさが全面に出ているものでした。パトリックに「まさにサンドラそのものだ」と言われていたくらいです。
このリメイク対決で一番に選ばれたのはサンドラでした。1時間半という短時間で、しかも手縫いで、あれだけの華やかなデザインの飾りを完成できたのは素晴らしいと思います。
ローレンのリメイクは、はじめは時間のかかるスパンコールを付けていて、制限時間内に仕上がるのだろうかと、観ていてハラハラするものでした。
途中で無理だと考えたローレンは、作業プランを変更して、両面接着芯を使って生地の飾りを貼るという工程を取り入れたり、刺繍糸でチェーンステッチもしていたのですが、チェーンステッチの糸の太さが足りないという評価をされていました。
ローレンはリメイク対決の後、思うようにできなかったためなのか、泣いていたのですが、アンが優しく「大丈夫よ。とても上手だった。あなたは絶対にやれるわ」と抱きしめながら励ましていたのがとても印象的です。(わたしも泣きそう)
ローレンにとってアンは、優しく包み込んでくれる、おばあちゃんのような存在なのでしょうか。
サンドラは母親が娘に諭すように「泣かないの」と言っていました。
なんだか、祖母、母、娘の三世代がそろっているようにも見えてしまう不思議な決勝戦です。
イブニングドレス対決
制限時間8時間で華やかなイブニングドレスをつくる対決。
決勝戦のモデルはサプライズ!
なんと家族のうちの一人がモデルになるのです。
アンの娘さんのサリー、サンドラの娘さんのレベッカ、ローレンのお姉さんのジェニー・ケイトの3名がモデルとして登場しました。
コンテスタントには前もって、この家族のモデルたちのサイズだけを伝えてあります。
アンはモデルのサイズを見て「変なサイズって言っていた」と娘さんのサリーに暴露されていました。
コンテスタント3名がソーイングルームに戻ってきた後、特別なモデルを見て、それぞれ驚きながらも大喜びしていました。
スコットランド在住のため、普段滅多に会えないお姉さんと再会できた嬉しさもあり、また泣いていたローレン。
「アン、変なサイズのモデルさんとがんばって」と司会のクラウディアに言われてしまったアンは、娘さんと楽しそうに大爆笑です。
この後、1時間のみ作業をし、翌日から本格的にドレスづくりをします。
アン
アンは、上は七分袖、下は膝丈スカートのデザインのドレスを、青い光沢のある生地に、黒いレースを重ねてつくります。
準備にとても時間をかけており、レースの柄をそろえなければいけない箇所は、本縫いの前に丁寧にしつけをしていました。
「どんな仕事にも退屈な部分があるでしょ?そこを省くと、結局困ることがあるから」と言うアン。娘さんも、アンがミシンがけをする姿よりも、しつけの作業をしている方を良く見かけるのだと言います。
しつけの作業をいかに丁寧にするかが、出来ばえを左右するということを、長年の経験から知っているアンは、なんだかソーイングの先生のように見えました。よく考えたら、審査員のメイよりもソーイング歴(約70年)が長いのですね。
しつけを終えた後、上の身ごろにスカートをとめて仮縫いをしてから、モデルに着せて形が崩れないか確認します。確認して問題がなければ、本縫いに入るという、とても丁寧かつ確実な手順を踏んでいるのがわかりました。
ファスナーをミシンでつけていた他の2名と違い、アンはファスナーを手縫いでつけていたのも印象的な場面です。
オートクチュールの世界を知らないわたしですが、そういった縫製のやり方に近いのかもしれないなと思いました。
仕上がりについては、パトリックが「極めて見事だ。最後の課題で恐ろしく難しい素材を選んだね。あらゆる点が丸見えになる生地だけど、実にバランス良く仕上がっている。シルエットが美しい」とパトリックが大絶賛していました。本当に美しいドレスです。わたしも着てみたくなりました。
サンドラ
サンドラは、背中が大きく開いていて、前身ごろの首回りにシフォンの飾りがついたデザインのドレスを、ブルーのサテン生地でつくります。
サンドラは、まず裏地を縫って、モデルの体型に合うかどうか確認してから、ドレスを仕立てていました。
前身ごろの首回りにつけるシフォンの飾りの端ミシンを、慎重かつ丁寧にかけないといけないところで、「すこし失敗した」と言うサンドラ。折り返しの幅が狭いだけでなく、生地の扱いにくさもあって、ミシンがけが難しそうです。
そして、ファスナーをミシンでつけるときには、サテンの生地が滑って失敗していました。
仕上がりについては、メイが「ドレープがきれいでモデルの体型に合っている」と絶賛するほどの出来です。
サンドラが苦労していたシフォンの飾りの端ミシンもきれいに縫えていると褒めていました。ファスナーの仕上がりは皺になっていると、メイが指摘したのですが、パトリックは「ファスナーの問題は僕は重視しない。見えないし気づかない人もいるだろう」とフォローしていました。
サンドラにとって、このコンテストでの最高傑作だと思うとまでベタ褒めしていたパトリック。いままではパトリックって、辛口審査員だなと思っていたのですが、こんなふうにベタ褒めしていたのが意外でした。パトリック、今まではあえて、辛口でいたのかもしれません。
ローレン
ローレンは、上身ごろがアシンメトリーのデザインで、上身ごろはサテン生地、スカート部分はスパンコール生地と、2つの生地を使ったドレスをつくります。
作業途中、ドレスが「モデルの体型に合うか自信がない」と言うローレン。これまでピッタリなものをつくっていないからと不安げでした。
「裾が長すぎた!」と作業終盤になって、パニックになりはじめるローレン。
「あと10㎝は縫わないといけない」と焦りながら、裾上げをモデルに着せたまましていました。
毎回、「ローレンがんばって」という気持ちで観てしまうわたし。一生懸命すぎるからなのか、毎回のように途中でパニックになるのだけど、決してあきらめることなく、必ず作品を完成させるローレンの根気強さがとにかく好きで応援したくなるのです。
仕上がりについては、メイが「サイズが心配だったけど、モデルの体型にピッタリ合っている」と褒めていました。作業途中で心配していたけど、最後の課題でサイズが合うものをつくれたので良かったです。(観ているこちらもホッとしました)
前身ごろの縫い目の美しさは、さすがローレンだなと思いました。
スパンコール生地という伸縮性のある生地を選んだことで、下へと伸びてしまい、裾上げをしなければいけないことにつながったのでしょうか。パトリックには裾のラインが斜めになっていると指摘されていました。でも、小さな欠点はあるけど、見事な出来だと褒められていました。
シーズン1の優勝者の発表
審査を終えた後、コンテスタント3名の家族達と、途中で脱落したコンテスタント達が、そろってソーイング・ルームへ入ってきます。
これまでのコンテスタント達の懐かしい顔ぶれが集まり、みんなでソーイングの健闘を称えあいます。
そして、ドキドキ緊張の優勝者の発表。
司会のクラウディアがこれまでの健闘を称えた後、「優勝者はアン!」と発表しました。
大歓声のなか、優勝トロフィーがアンに渡されます。
アンはやや興奮ぎみでたくさん話していて、「最高の気分よ!」と本当に嬉しそうにしていたのが印象的です。
「これまでやってきたことが間違っていなかったとわかりました。わたし81歳よ!」とパトリックに向かって嬉しそうに話すアン。
優勝という言葉を何度も言ってきたローレンは、最後には笑顔で「優勝したかったけど、アンが素晴らしかったから。アンはチャンピオンにふさわしい人よ」と言っていたので、良かったなと思いました。
サンドラは「これまで自信がありませんでした。わたしここに居てもいいの?と思っていたんです。今日はこう思えた、そうよここに居てもいいのよと」と自信にあふれた表情で話していたのが印象的です。
まとめ
アンが優勝したのですが、第1回から一貫して素晴らしいソーイングの腕前と作品を見せてくれていて、観ている側としても納得のいく審査結果でした。本当にソーイングする姿が素敵なアン。
【ソーイング・ビー】は、ソーイング技術を競うという面白さだけでなく、だんだんとコンテスタント達それぞれの魅力にも気づいて、いつのまにか感情移入してしまうくらい不思議な吸引力のある番組です。
毎週毎週、わたしも飽きもしないで、このように記事を書いてしまうくらいですから。
シーズン1がはじまった当初は8名だったコンテスタント達。
今回でお別れなのが、なんだか寂しいような気がします。
ソーイングが本当に好きでたまらないのが、画面からも伝わってくる素晴らしい人達でした。また、何度も観てしまうかもしれません。
さて次回の【ソーイング・ビー】第9回からは、シーズン2がはじまるそうです。
イギリス全土からソーイング名人の新メンバーが10名集まり、新たな対決の予定。
これからも【ソーイング・ビー】から、ますます目が離せません。